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感染防止対策委員会

感染管理認定看護師
坪根淑恵

Ⅰ.概要

当委員会は病院長直属の諮問機関である.感染管理の方針を最終的に決定し,方針を院内全体に通達・提唱する役割がある.感染防止対策委員会(Infection Control Committee:以下ICCとする)の中から感染対策チーム(Infection Control Team:以下ICTとする)が選出される.ICTは,医師(ICC委員長),検査技師,薬剤師,感染管理認定看護師,事務員の計5名で構成される.ICCは実践面の機能をICTに委譲し,一定の権限を与え,ICTの活動を支援している.

Ⅱ.目的

1.感染症の発生を未然に予防することにより,感染率が低減する.
2.患者と職員双方の感染を防止し,発生した感染症の拡大を防ぐ.

Ⅲ.目標

1. 標準予防策・経路別予防策を遵守し,耐性菌などのアウトブレイクをおこさない.
2.MRSA新規発生率が,0.6(新規発生件数/1000Pt-days)を維持できる
(2013年度0.4新規発生件数/1000Pt-days).

Ⅳ.評価

耐性菌の注意深い監視やラウンド,職員への啓発活動および指導教育を実践していくことで,多剤耐性菌や冬季流行性疾患によるアウトブレイクは発生しなかった.MRSA新規発生率は,0.54(新規発生件数/1000Pt-days)で目標を維持できているが,今後も抗菌薬適正使用及び,検体提出など介入していく必要があると考える.
感染防止対策加算1および地域連携加算の施設基準維持のため活動を継続した.院内活動にとどまらず,ラウンドや院外研修会,感染管理プログラム立案,相談対応などを行い,他施設の感染防止対策活動の支援をし,加算1取得施設としての役割を遂行した.
全国規模のサーベイランスに参加し,当院の数値を全国の平均値と比較することなどから院内感染対策を見直すため,厚生労働省サーベイランスや下関耐性菌研究会への参加及びデータ提出などを継続している.サーベイランスの作業の中からアウトブレイクを察知し,ICTによる介入及び改善をすることができた.
行政や地域と連携し,新型インフルエンザやエボラウイルス病対策に着手した.

Ⅴ.活動内容/活動報告

1.感染管理システム
■加算1連携施設:関門医療センター
<相互監査日>
6月23日 当院
7月29日 関門医療センター
 相互監査をし,指摘事項の改善に取り組んだ.
 改善内容:経腸栄養チューブ管理
      検査部,理学療法部で使用するタオルの管理

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(写真1 関門医療センターによる監査)

■加算2連携施設:安岡病院・昭和病院・桃崎病院
<合同カンファレンス開催日>

開催月日

場所

参加
施設

参加
人数

テーマ

5月22日

下関市立市民病院

6施設

29

感染症発生状況,今後の医療
機関連携のありかた

10月9日

下関市立市民病院

6施設

29

感染症発生状況
職種別感染防止対策

1月16日

当院

安岡病院

12

冬季流行性疾患の発生状況
感染防止対策実施状況

1月28日

当院

昭和病院

13

感染症発生状況
抗菌薬適正使用に対するICT介入
■感染制御支援事業
県委託事業として,下記の活動の運営・実施した.
<感染管理実践者研修>

開催月日

研修会内容

参加
人数

テーマ

8月24日

基礎編

89

関係法規・標準予防策・微生物

9月28日

78

洗浄・消毒・清掃・職業感染

10月26日

75

抗菌薬・手指衛生

9月6日

長期療養・在宅編

188

肺炎・経管栄養・胃瘻

11月30日

講演会

167

感染防止対策の実践(外部講師)
<訪問ラウンド>

ラウンド日

訪問先

参加
人数

内容

6月12日

昭和病院

14

病棟の衛生管理状況確認,改善策提案
8月26日

前田内科

10

透析室,病棟,感染管理プログラム支援
11月13日

岡病院

10

病棟,中央材料室,内視鏡室ラウンド
2.指導・教育
全職員対象研修会 (写真2)
 第1回 6月18・19日 17:30~18:30
  テーマ:①栄養管理における感染管理のポイント
      ②CD感染症について
   講師:加藤彰医師(消化器内科部長・委員長)
      坪根淑恵(感染管理認定看護師)
     
 第2回 10月14日  17:30~18:30
  テーマ:馬関もんの感染症診療のキホン
      ~日常診療でよくある感染症の診断と治療について~
   講師:産業医科大学病院 
      感染制御部 助教 鈴木克典先生

院内研修会の出席率は,42.3%と例年とかわりなかった.フォローアップ研修としてDVD視聴を企画したが,インフルエンザ流行のため実施できなかった.次年度は流行シーズン前に開催することにした.
他職種への研修会は随時実施している(感染管理認定看護師の年報に記載).

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(写真2 鈴木先生による講演会)

3.職業感染
表1 職業感染 (2014年1月~12月)

疾患名

件数

対応

結核

1

接触者調査・定期外検診・行政対応など
感染性胃腸炎

1

接触予防策・行政対応など
小児ウイルス性疾患

1

ワクチン接種啓発・接触者調査し,就業制限実施
針刺し・粘膜曝露

9

マニュアル対応

インフルエンザ(2014-15シーズン)は,入院患者12名,職員48名の発症が
あった.発症後もしくは潜伏期間中の入院が多くを占めていた.
発生動向を継続的に監視し,濃厚接触患者に対しては迅速に予防投与を実施し,職員発症者に対しては就業制限をした.いずれもアウトブレイクせず経過した.

4.サーベイランス
■厚生労働省院内感染サーベイランス
(Japan Nosocomial Infection Surveillance;JANIS)〈検査部門〉〈全入院患者部門〉
全入院患者部門は院内全体における薬剤耐性菌による感染症患者の発生動向を,検査部門は臨床検体分離菌の薬剤感受性パターンに関するデータを収集し,その動向を把握するとともに,新規耐性菌の早期検出を目的としている.

2014年病棟検体提出数2555件,患者数1183人で,ともに昨年より増加した.
特定耐性菌の分離率はMRSA(10.75%),ペニシリン耐性肺炎球菌(0.59%),カルバペネム耐性緑膿菌(1.6%),第三世代セファロスポリン耐性肺炎桿菌(0.25%),第三世代セファロスポリン耐性大腸菌(2.27%),フルオロキノロン耐性大腸菌(3.61%)で,バンコマイシン耐性腸球菌,多剤耐性緑膿菌,多剤耐性アシネトバクター,カルバペネム耐性セラチアは分離されなかった.
MRSAの分離率は昨年よりやや増加し,冬季に多く分離される傾向であった.
病棟別MRSA分離率は東5(19%),東7(11%),西4(34%),西5(19%),西6(9%),ICU(8%)であった.
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(図1 MRSA分離状況)

血液培養からの主な分離菌は図2の通りであり,汚染菌(コンタミネーション)とみられるものも多く分離された.            
報告者:検査部 清水大輔
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(図2 血液培養分離菌)

■抗菌薬使用状況                 
昨年に比べ,抗MRSA用薬・カルバペネム・第4セフェムの使用量が増加している.使用人数に大きな増加がなく,また,第3セフェムの使用が減少していることから,広域抗菌薬の長期使用が伺える結果である.ICTカンファレンスにて確認は行っているものの,介入は難しく,昨年からの問題であるアンチバイオグラムの発信と適正抗菌薬使用の提示のシステム化が求められていると感じる(図3).
報告者:薬剤科 岡本朋子
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(図3 2014年抗菌薬使用状況)

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(図4 2014年アンチバイオグラム)

Ⅵ.次年度にむけて

多職種担当者が一丸となり手を携えて,質の高い医療を患者に提供し,医療者の安全も守る専門集団として,模範的なシステム構築のもとに活動していくことが求められている.
アウトブレイクの察知とその経路を発見するために,まずベースラインとしての日常的なサーベイランスを位置づけることが必要である.院内分離細菌の標準的抗菌薬に対するアンチバイオグラムの作成とデータ発信,耐性菌に注意をしていくとともにディエスカレーションを促すことは引き続き今後の課題である.
院内感染防止対策をシステム化し,院内のどの部署でも同様に質の高い一貫した感染防止技術が展開されるよう介入していく必要がある.2012年の診療報酬改定で,より拡充された感染防止対策加算の施設基準を維持し,かつ,加算1取得施設として近隣施設に対して支援体制を継続していくことは義務である.
機能評価受審査1年前となるため,ファシリティマネジメントの推進をしていく.
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